こそあど言葉(指示語)についての学習プリントです。
私たちも、日頃何気なく使っている「こそあど言葉」ですが、一定のルールがあります。
ここでは、ルールをしっかりと覚えるというよりは、ルールを知った上で正しく「こそあど言葉」を使えるようにすることを目的に、プリントを構成しています。
こそあど言葉とは?
ここは親御さん向け…お子様はここまで理解しなくてもいいです。
こそあど言葉とは…?
ものごとを指し示す役割をもつ語句のことをいいます。
具体的には、以下のようなものがありますね。
こ:この、これ、ここ、こちら、こんな
そ:その、それ、そこ、そちら、そんな
あ:あの、あれ、あそこ、あちら、あんな
ど:どの、どれ、どこ、どちら、どんな
こそあど言葉のルール
もしかしたら、このようにルールがちゃんとあることを知らない大人の方も多いのではないでしょうか?
ただ、自然に使っている「こそあど言葉」も、ルールに照らし合わせてみると「正しい」という場合が多いと思います。それほど、実は、染みついているものです。
それでは、細かくルールを見ていきましょう。
こ・そ・あ・どの区別は、自分と話し相手との距離
「こそあど言葉」の「こ・そ・あ・ど」は自分と聞き手と対象のモノ(ものごと)との距離によって使い分けられます。

何を指し示すかで使い分ける
こそあど言葉は、物事を指すときに使用する指示語です。
指示語なので、何を指し示すかによって使い分ける必要があります。

事物を指す指示語
自分から近いモノや遠いモノなどを指す時に使います。
「このおもちゃは、お父さんに買ってもらった。」
「そのおもちゃ貸して。」
「あのおもちゃ、おもしろそう。」
「どのおもちゃで遊びたいの?」
場所を示す指示語
自分から近い場所や遠い場所などを示す時に使います。
「ここで、待っていてね。」
「そこは危ないから、離れよう。」
「トイレはあそこです。」
「どこに行こうか?」
方角を指す指示語
自分を起点とした方角を指す時に使います。
「こっちにおいで。」
「そっちへ
「あっちまで走って競争だ!」
「どっちの道に進む?」

お子様に分かりやすいような例文にしているので、どういう状況かを一緒にイメージしながら例文を読めるといいですね
様子を指す指示語
物事の様子や動作などを示すときに使います。
「こんな感じでいい?」
「そんな風にうまくできないな…」
「あんなお兄ちゃんになりたいなぁ…」
「どんな髪型にする?」
こそあど言葉プリントと教え方のポイント
お子様の「こそあど言葉」のプリントを進めるにあたってのポイントは以下の通りです。
誰が「話している」つまり、誰がセリフの「自分」になるのか。
誰が「聞いている」つまり、誰がセリフの「相手」になるのか。を理解します。
位置関係がどうなっているのかを把握します。
こそあど言葉が「もの」「場所」「方向」「様子」何を指し示しているのかを確認します。
早速プリントを進めていきましょう
こそあど言葉プリント①


プリントダウンロード
問題を、細かく解説していきましょう。


白雪姫
白雪姫のセリフなので、「自分」は白雪姫です。
「相手」は魔女ですね。
ここでは、「相手」である魔女の近くにあるりんごを指して、「おいしそう」と言っているので…
「そのりんごおいしそう。」となります。


次は、魔女のセリフなので、「自分」は魔女です。
「自分」である魔女の近くにあるりんごを指しているので…
「このりんごをあげよう。」となります。


(今回場合、男女どちらでもいいのですが)セリフは女の子から出ているので「自分」は女の子にします。
「相手」となる男の子からも、「自分」からも遠い位置にある、家を指しています。
なので…
「あのいえへいってみよう。」
となります。


舌切り雀
まず、話しているのは、すずめ(=「自分」)です。
分からないものを聞いているので…
「どのつづらがほしいですか?」になります。
「この(あの)つづらが欲しいですか?」でも、文章としては成立しますが、問題文に選択肢は一度しか使えないとあることから、「どの」を選ぶことになります。


今度は、おじいさんが「自分」になります。
相手である「すずめ」の近くにあるつづらを指しているので…
「そのちいさいほうのつづらをもらおう。」になります。
舌切り雀の話をご存じのお子様には、「この絵のおじいさんが、いじわるなおばあさんだったら、何て言うかな?」と、この位置関係で聞いてみるのもいいかもしれませんね。
…答えは、おばあさん、すずめいずれからも離れているので、「あの」になりますね。
こそあど言葉プリント②


ダウンロード
問題を、細かく解説していきましょう。


何を指しているかな?忍者は、「伝説の巻物でござる」と言っているので、□が指すのは「巻物」であることが分かります。「巻物」は「モノ」なので、「これ」か「この」が入りますね。
答えは、上が「これ」、下が「この」です。



「この絵本」「あのおもちゃ」「そのお皿」…のように、「この」などは、モノの前にくっつくよ


高く飛ぶ「様子」を指しているので、答えは「こんな」です。



下で見ている人が、この忍者の様子を見て同じように言うとしたら、何というと思う?
「あんなに高く飛ぶのを見たのは初めてだ」などが出てくるといいですね!


「〇〇へ」となるので、方向を指していることが分かります。よって答えは、「こちらへにげるでござる!」になります。



この灰色の忍者の方に逃げよう!と伝える場合には、青色の忍者は何というかな?
灰色の忍者の方向を指して「そちらへ逃げるでござる」が正解です。


青色の忍者がいたはずの場所を指して言っているので「ここにいたはずなのに…」になります。
こそあど言葉プリント③


ダウンロード
問題を、細かく解説していきましょう。


吹き出しの上のヒントを見ながらやっていきましょ!
「この人を見ませんでしたか?」
「その人、見ました!」



事件の目撃者に、何人かの写真を見せて、犯人を聞く場合は「〇〇人が犯人ですか?」と聞くかな?
「どの人が犯人ですか?」になりますね


「方向」なので…
「どちら(どっち)へ行きましたか?」
「あちら(あっち)へ行きました!」


分からない店を指しているので…
「どのお店でたべようか?」
「このお店はこの前いったばかりだし…」


自分と相手両方から遠いお店を指しているので…
「あのお店はどうかしら?」
自分と相手両方から遠いお店の様子を指しているので…
「あんなにも、長い行列だよ。」
となります。