繰り下がり引き算の10未返却事件をご存じですか?
繰り下がりのある引き算の10未返却事件とは、1984年 に大阪 の小学校 で発生した事件である。
1984年10月12日、大阪の小学校で1年生の担任である女性教諭が、担任する学級で繰り下がりのある引き算『15-8』の解法を教えていた。このとき、担任は「5から8を引くことはできないので、10の位から10を借りてくる」と教え、そのように計算を行った。このとき、10は借りてきたものであるから、当然10の位へ返還する義務が生じるのだが、担任は10を返却しなかった。このことを1人の男子児童が指摘したが、教諭はこれを黙殺した。
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もちろん実際の事件ではなく、繰り下がり引き算で使われる「借りてくる」の表現を面白おかしく風刺したものです。
確かに『借りてくる』という表現ってなんだろう…。なんて分かりにくいんだろう…。
4歳11か月の息子に繰り下がり引き算を教える際、とても苦労しました。
なかなか理解が進まず…親子で試行錯誤した結果、なんとかマスターできました。
今回は繰り下がり引き算の教え方を恐縮ですが次男のための《備忘録》として書かせて頂きます。
参考にならない場合もあるかもしれませんが…繰り下がり引き算で躓いているお子さんの少しでもお力になれたら嬉しいです。
繰り下がり引き算の前に「両替」の考え方
以前の記事でお伝えしたように、我が家は「減加法」だけを教えています。
「減加法」のやり方の詳細も出ているのでまずはこちらをご覧ください。
この中でやっているように、十の位から10を一の位に持ってきて、その10から引かせるということが重要なのです。
10が十の位や一の位を行き来するということを両替の概念を使って慣らしていきましょう!!
実際のお金を使うとお子様もかなり食いついてくれると思います。
「わぁー!3円のアメ買いたいのに、⑩円玉しか持ってないー!
すみません!お店屋さん!、⑩円玉を①円玉10個に両替してください!」
と言って、10円と1円を両替してもらいます。
この時に、持っているお金は両替前と後では変わらないことをしっかり分かってもらうことが重要です!

繰り下がり引き算のやり方をイメージで掴む
① 物語風にしてイメージを掴む
調子に乗っている一の位よりも、引かれる方の数(後ろの数)の方が大きいとき…あの人の力を借りよう…!!
「スーパー10~」
あ!もしかしたら、冒頭の「借りる」問題…「10の力を『借りる』」という意味だとしたら…しっくりくるかも…!!
ここでは「引けないときは10から引く」ということをイメージで覚えてもらいます。
② PowerPointで楽しく流れを掴む
PowerPointのアニメーションで以下のような資料を作りました。※クリックすると自動再生されます。
PowerPoint資料のダウンロードや詳しい使い方等はこちらにまとめています!
何度かやって流れが分かってきたら、最後には息子に先生になってもらいます。
「人に教える」ことが理解への近道です!!
①と②でとにかく「10の力を借りる!」「10で引くと簡単だ!」ってことを印象付けます。
引かれる数が10と何に分かれるかを理解する
引かれる数が10と何に分かれるかを何度もやってもらいます。

初めのうちは⑩円玉と①円玉を書いてあげて、⑩と何かに分けるということは⑩だけ1個なくなる(=①は変わらない)ということを理解してもらいます。
もし、「難しい」とか「分からない」というお子様がいたら(※息子は「難しい」と言っていました…)、魔法の言葉を言ってあげましょう!


鋭いお子様は気が付くことでしょう…(※息子は気が付きませんでした…)
「10」と何かに分解するということは、一の位は変わらずに、十の位だけ数がひとつ小さくなるのです。
気が付かなくても…
「あれ?⑩と何かに分けるってことは…十の位の数って、どうなってる…?1が0でしょ?これは3が2でしょ?…」
などど、誘導するようにして「自分で気が付かせる」ことが大事です。
そして、十の位を消してその一つ前の数字を右上に書くと分かりやすいことを教えてあげると、魔法のようにスラスラと出来ていきます。大人から見ると何てことない当たり前のことですが、子どもは自分で気づけたこと、難しかった問題があっという間に簡単にできるようになったことがすごくうれしく感じるはずです。
とにかく慣れるまで一緒にやっていく














答えは65!


とここまでスムーズに出来るようになるまで、何度も何度も繰り返し練習しました。
筆算と横式でやっていることが同じというイメージをつける
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こちらは過去のInstagramのpostですが、こうやってひたすら筆算と横式を同時にやるようにして、一緒のことをやっていると言う認識を付けてもらうようにしました。