私はこれまで読書という読書をあまりしてきませんでした。
ご存じの通り、子育て本は読むのは好きです。それは、子育て本やビジネス本などの実用書は読むことで私にとって何かしらの実りがあるから…。
一方、小説は…。この流れで言うと…そうなんです、小説は私の人生や生活に実りがないと、恥ずかしながらそう思っていました。
小説を読むことは娯楽と一緒。同じ本を読むなら、生活に学べる本を読みたいと、小説を軽視していたのです。
私のその固い固い鉄の思いが、ある本(厳密にはある2冊の本)を通じて崩れ落ちました…!
小説ってすごい!
今回は、私が小説を読んだ経緯と読むことで得られたことをご紹介します。子育てにも通じるところが多いので、是非、お付き合いください…!
小説を読んでみようと思ったきっかけはこの子育て本
筑波大学付属小学校で長年国語の先生として勤めていらした二瓶弘行さんの「子どもの学力がぐんぐん伸びる お母さんと一緒の読解力教室 」を読みました。
在庫があるネットショップがあまりないようです…。私も2年前にネットで中古で買いました。数年前、図書館でたまたま見つけた本です。出会えてよかった!
この本は、文章の正しい読み方を説明してくれており、正しい説明文や美しい物語はこういった分かりやすい構造になっていたんだと!!目から鱗がポロポロ、ボロボロ…。
具体的に紹介されているのは、説明文の読み方「三つの大部屋読解法」と物語の読み方「クライマックス場面読解法」。
詳しい方法はもちろんのこと、実際に教科書に掲載されている国語の文章をこれらの方法で読み込んでいく紙面講義もあり、非常に分かりやすいです。あの「おおきなかぶ」のお話も、「クライマックス場面読解法」でそこまで深く読むのか!と、驚愕、感嘆!
タイトルは「お母さんと一緒の」とありますが、家で具体的にどうしたらいいというところまでは記載されていませんでした。決して消極的な感想ではありません。とにかく、親が正しい文章の読み方を理解して、それを学校の宿題などでを通じて教えてあげるということなんだと思います。
年中のわが子に教えるのはまだ早いのですし、読み聞かせの時にあれこれモノを言うことを息子は嫌うので、小学生になったら教えてあげたいと思っています。
お子様の「読解力」が気になる、伸ばしたいと思われている方は、是非とも手元に置いておいて頂きたいと思います。
正しい「読解力」の方法は不変ですし、ずっと使える内容だと思うので、高校受験や大学受験の時に、子ども自身が再確認するのにも使えそうです。
賢さの為だけじゃない、人生のための読書
私はこれまで「読み聞かせをすると、本好きになり、本好きになると賢くなる…」という流ればかり考えていました。でも、そればかりではない、と言いますか、正しく読む習慣があって、良質な本と出合えていれば、それ以上の「よりよい人生」を手に入れられる気がしてならないのです。
「子どもの学力がぐんぐん伸びる お母さんと一緒の読解力教室 」では、小説を読むことの重要性についてもしっかり触れられています。
物語を読む、文学作品を読むことは、人生を豊かにします。物語を読めるからこそ、たったひとつの人生でなくなる、つまりいろいろな人生を知ることになります。物語には人がさまざまに喜んだり悲しんだり悔しがったりする姿が、言葉を通して描かれているからです。言葉を読むことで、そういう思いが受け取れるのです。
だから子どもには、ちゃんとその思いを受け取れる力、読解力をやはりつけてあげたいと思います。
二瓶 弘行 (著)「子どもの学力がぐんぐん伸びる お母さんと一緒の読解力教室 」
この文章、初め読んだ時はなーんとも思いませんでした。なぜならば、私が冒頭のように小説を軽視していたからです。「へへー人生だなんて、そりゃまた壮大な…」っと。
しかし、ある本を読んだ今、この文章に100%共感できると強く思うようになりました。
「ある本」とは、この二瓶先生の本の「あとがき」で紹介されている本で、その「あとがき」を読んだ私はその本に強烈な興味を感じ、その日のうちに本を手にし、そして、夢中で読み進めました。
恋愛ドラマを見ていて「来週の放送が待ち遠しい!」と心臓がギューッとなる感覚…それと同じ感覚で、次々とページを進めていきました。
400ページ超の本です。会社の昼休みでも通勤時間でも人目をはばからず、涙しながら読みふけりました。クライマックスなんて、平日深夜1時を超えてまで泣きながら読み、次の日は試合後のボクサーか?という位、涙でまぶたが腫れた私。
じれったいですね。ある本というのがこちらです。
人の気持ちになれる本。我が子にもいつか絶対読んでほしい本。
本の感想は、中身のネタバレもあるのでここでは差し控えさせて頂きます。
この本を読んで小説に対する私の考えがガラっと変わりました。
…登場人物の気持ちに心から寄り添うことが出来る
もっと言えば、小説の中で別の人生を生きることが出来る
…文字を読んでいるだけなのに、頭の中に場面が画として広がる
ことに、この太陽の子に関しては、初心者の私がこれほど引き込まれたくらい、描写がとても分かりやすく、ところどころ出てくる沖縄特有の言葉なんかはネットで調べましたが、使われている言葉も平易なものなので、非常に読みやすい本です。
そして何よりも…この本を大人になる前に読みたかった…!!だからこそ、わが子に読んでもらいたいと思ったのです。
30数年生きてきて、やっと小説を読むことの面白さ、魅力を知りました。
そして、「太陽の子」は2回読み、今は灰谷先生の「兎の眼」を読み始めました。ほかにも読みたい本が沢山あります。新たな趣味が出来ました!
そして、ふと思いました。子ども達に沢山本を読んでほしいと望むばかりで、私自身がそれをしていなかったじゃないかと…。
子どもの読書を考える前に自分の読書!