我が家の次男は、我が家で唯一の左利きです。ちなみに、夫も私も、それぞれの両親兄弟はみんな右利き。次男を見ていて、道具を使う際や、字を書く時に大変そうだな…と感じることがたまにあります。皆さんも、普通に生活していると左利きのネガティブな面に遭遇することの方が多いのではないでしょうか?
そんな左利きの次男に何かしてあげられることはないかな…と思い、「1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法」という本を読みました。
こちらの本…
左利きのお子様をお持ちの親御さんにも是非読んでもらいたいです。
左利きのお子様が持つ「潜在能力」を知り、力を発揮することをサポートするアイディアを得られるはずです。
そして、何より、私は、この本を読んで、左利きのわが子への愛がもっと深まりました。「あ!あの子のこの特徴ってそういうことだったのかな?」と…脳までも愛らしく感じます(笑)。
今回は、こちらの本で特に印象深かった点について、私の感想と共に綴らせてもらいます。
左利きのことを脳の観点から深~く出来ることが出来る本
今回読んだのはこちらの本です。
左利きの脳内科医、医学博士である、加藤 俊徳先生の著書です。ご自身も「左利き」であるということですが、ただ、先生のご経歴が凄すぎて…、、、身近に感じられない部分もあるので、脳のプロが左利きのすごい才能を解き明かす本という認識がいいと思います。
脳のMRI画像なども掲載されていて、説明もとても分かりやすいです。具体的な能力を伸ばす方法なども掲載されています(掲載されている方法は、子どもには難易度が高いものも多いです。子育て世帯向けというわけではなく、全左利き向けという感じです。)
脳の違いによる左利きの特徴が分かると「見守る」ことが出来る
右手を使うと左脳が活性化し、左手を使うと右脳が発達するというのは、よく知られた話だと思います。このことは、この本の中でもきっちり説明してくれています。
そして、この右脳・左脳!そろばんの回でもやりましたが、それぞれ得意な役割があります。
左脳は、言葉や会話、計算、論理的思考など「言語系」が得意で、右脳は、視覚や五感を活用した言語以外つまり「非言語系」が得意。
言語処理が得意な左脳を常に右手で刺激している右利きと違い、左利きは非言語情報を扱う右脳を主に働かせています。
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法
言葉に置き換えて言いたいことを発するまでに使用する脳のルートが、ほんの少し遠回りなのです。
また自分の言いたいことのイメージと言葉をつなぐ前に話をしてしまうことがあるため、周囲からずれて聞こえたりもします。
左利きの多くは、情報の「イメージ保存」がデフォルトです。そのため、浮かんだことを言葉でうまく表現できない場合も少なくありません。
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法
これを読んで、左利きの次男にすごく当てはまるなって感じて、この本を通勤中に読んでいましたが「次男坊に今すぐ会いたい!!」って思いました(笑)。
日頃からインプット多めを意識している我が家ですが、次男はアウトプットが可愛いんです。世界一小さい国「バチカン市国」のことを「バカチン」って言ったり、「散らばった」のことを「ちびばった」と言ったり、「モロッコ」のことを「モッコロ」と言ったり、「心が通じない」のことを「心がチーズない」と言ったり…(ちなみに「〇〇ちゃん語録」として、言った日付とともにメモしています(笑))
そんな言い間違いひとつ一つも、脳の働きのためなのかと思うと、長男に比べて若干ゆっくり目な国語力に寄り添いたいと強く思うようになりました。
また、このことをマイナスと捉えず、書籍にもあったように「大器晩成型」と思って長い目で見てあげたいと感じました。
子どもの場合、お子さん自身もまわりも、理由がわからずにただ「ワンテンポ遅い」と思ってしまうかもしれません。
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法
左利きのお子さんを持つ親御さんは「脳の回路をたくさん使っているから」と、急かさずに見守ってほしいものです。
しかーし!
ネガティブなことだけではない、すごいぞ左利き!!!
子どもの頃からずっと右脳を目覚めさせている左利きは、たしかに左脳の成長はゆっくりかもしれません。
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法
でも、使える脳の範囲が右利きよりも広いのだと自信を持ってほしいのです。
この本では、左利きすごい才能について沢山書かれています。どんなもの…!?
驚き!左利きのすごいところ「直感力」
この本では左利きのすごさを「直感力」「独創性」「ワンクッション思考」としてまとめていますが、中でも特に気になったのが「直感力」です。
そろばんのコラムでもお伝えしましたが、右脳の記憶容量は左脳の数千倍以上と言われ、記憶できる容量が膨大と言います。そんな右脳の記憶容量の大きさから享受できるメリットが「直感力」です。
「直感」とは意識では覚えていない膨大な情報を蓄えている脳のデータベースから、精度が高く、より正確な情報を選択して導き出された結果だと考えています。
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法
(中略)
右脳は、視覚や五感をフルに活用した、言語以外のあらゆる情報を無意識のうちに蓄積している巨大なデータベースです。
そのため、常に左手から右脳に刺激を送り続けている左利きは、膨大なデータからベストな答えを導き出す直感に優れているのです。
ここで、改めて…「直感」とは何かを国語辞典で調べると…「理性を働かすというより、感覚的にただちにとらえること。」
私は、私はこの国語辞典の印象の通り、直感とは、感覚に過ぎずあまり信頼しうるものとは捉えていませんでした。でも、”刑事の感”とかってドラマでもありますが、あれも背景には、刑事さんの長年の経験から得られた犯人の行動パターンデータベースからのシグナルな訳ですもんね…。そして、本書では、脳の専門家である著者が「直感は精度が高い」と言っているので、その力を信じてみたいと思いました。
こちらの本には、「直感の精度が上がる方法」として3つの具体的なステップが挙げられています。正直6歳の左利き次男には高度なものもありますが、以下のようなことならできそうかなと思いました。
- 直感というものが存在するということを伝え続ける
- 五感を使ったインプットを意識してあげること
- 左利きの次男が言葉にできないことを言語化してあげあること
まずは、私自身右利きですが、直感の力を信じてみようと強く思いました。
自動的に右脳と左脳の両方を刺激する機会が多いという左利きの特権
左利きは世の中で1割だそうです。大多数を占める9割の右利きに合わせるように社会は出来ています。最近ではユニバーサルデザインと言われ、左利きでも使いやすいつくりもありますが、やはり、左利きの人が右手を使わなければならない場面は沢山あります。つまりこの世の中は、物理的に、右脳と左脳両方の脳を刺激する機会に恵まれているということです。
また、日々生活していく上で、言語は欠かせないですよね。言語系というと得意なのは左脳。左利きの人は、日頃から左脳も使っているそうです。
ある研究によると、右利きの人のおよそ96%が左脳で言語系の処理をしていたのに対し、左利きはおよそ73%が左脳で、(中略)言語系の処理をしているという結果が出ています。
(中略)
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法
多くの左利きが右利きに比べて、左手を右脳で動かしながら、左脳で言語処理をしています。左脳と右脳の両方のネットワークを同時に使わないと、文章を綴れないことになります。
どういうことかというと、日ごろ生活していく上で欠かすことが出来ない言語系の処理をするためには、左利きも必ず左脳を使う機会があるということです。
本書では、このように左利きが、右脳と左脳を両方を頻繁に行き来する脳の使い方を「ワンクッション思考」と呼んでいます。
「ワンクッション」が、右脳と左脳、両方を覚醒させ、脳を強くしています。
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法
そして、使える脳の範囲が広がることで、左利きのすごい「直感」や「独創性」が生み出されているのです。
ただ、このワンクッション思考には欠点もあり、ワンテンポ遅れてしまうという点です。日頃から96%左脳を使っている右利きに比べたら、そうなってしまうのは当然かもしれません。
この欠点を解決する具体的な方法も本書には書かれています。これも、6歳の次男には少し難易度が高いものが多いですが、いくつか意識できるものもあったので、チャレンジしてみたいと思います。
左利きにおススメの習い事は…?
左利きの子どもは、見て真似をすることで、脳のネットワークが発達し、そのことによって学習能力を効率的に高めることが出来ると言います。お絵描きやあやとり、けん玉、遊びの中でも見て真似をするということを繰り返すことで、さまざまな能力がグングン伸びていくそうです。
そこでどんな習い事がいいのか…ですが…、この本では「〇〇は左利きの能力を生かせる!」というよりは、右利きの子と変わらずに出来る習い事ということで、以下のように記載されていました。
ピアノや笛など、みんなが両手を同時に使う習いごとは、本人が周りを意識しないで済むので親御さんにおすすめします。なぜなら、最初から両手を使う習いごとや作業には、右手をうまく使えないというコンプレックスを抱きにくいからです。
1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き――「選ばれた才能」を120%活かす方法
我が子は、残念ながらピアノは習っていませんが、そろばんを習っており、右手で珠をはじいています。本書には、そろばんの「そ」の字もありませんでしたが、もしかして、左利きの次男が右手を使って珠をはじくそろばんは、左脳もしっかり使えているのかな?と思いました。
ちなみに、左利きの次男は、習いたての頃(年中さん)は、左手を使っていることがありましたが、都度「右手だよ」と注意すると、意外とすんなりと右手でやっていました。※そろばんは、左手でも出来ますが、珠が隠れてしまったり、先生が教えにくかったりというデメリットがあるみたいです。
【まとめ】左利きはアドバンテージだ!
左利きは、文字を書いたり、道具を使ったりという点で不便なのかと思っていましたが、脳の観点からも、言語表現という点で実は右利きよりも苦労をする場面が多いとは知りませんでした。でも、そのことを知っていると、左利きのわが子をおおらかな気持ちで見てあげることが出来ます。
何より、そういったディスアドバンテージをはるかに凌駕する、アドバンテージが左利きにはあるということが、誇らしいです。そういった特徴を知ってあげて、親としてその能力を存分に生かせるようにサポートしていきたいと思っています。
お子様が左利きという親御さんは、必読と言っても過言ではないかもしれません。せっかく持って生まれた「選ばれし才能」を無駄にせず、存分に発揮するために、是非ご一読下さい!おすすめです。